横浜市歴史博物館資料集 第1集 ―鶴見村御用留(一)― (1997年3月)
■ 概 要 ■
本書は「横浜市歴史博物館史料集 第1集」として、横浜市鶴見区佐久間家に 伝来した文書(横浜開港資料館所蔵)のうち、貞享4年から正徳3年迄の御用留帳四冊を収録した。
御用留は、領主・代官などからの触書・触状などを書き留めたり、村内からの 願書・届書・近隣役人との相互文書を控として記録したものであり、地方支配の実態やそれに対する村方の対応を知る上で重要な史料であり、近世の村方文書の 中でも基本的な文書の1つである。御用留は享保期になると、各村で一般的に見られるようになるが、それ以前のものは事例が少ない。そうした意味で、今回刊 行する貞享-正徳期の武蔵国橘樹群鶴見村(神奈川県横浜市鶴見区)の御用留は、横浜市域のみならず、南関東地域においてもきわめて珍しい事例である。
佐久間家は、代々鶴見村の名主を勤めた家で、17世紀の末頃には神奈川領の 用元(用本)をつとめている。
■ 目 次 ■
貞享4年~元禄14年 御用留 1
宝永8年 卯年御用留帳 25
正徳2年 辰年御用留帳 38
正徳3年 巳年御用触控帳 62
解説 鶴見村御用留の内容について 斉藤司 68