ケンポンチャクショク ホウジョウアキトキゾウ
絹本著色 北条顕時像
<絵画 国宝 明33.4.7指定>
金沢文庫に保管されている、称名寺伝来の北条顕時(あきとき)像。顕時は北条実時(さねとき)の嫡子(ちゃくし)で、鎌倉幕府の評定衆(ひょうじょうしゅう)、引付頭(ひきつけがしら)の要職を勤めたが、安達泰盛一族が滅ぼされた霜月騒動で罪を負い、出家する。この肖像は、指貫(さしぬき)の上に袈裟をつけた服装の顕時像である。絵に見られる顕時の顔つきは、幕府の内部抗争に翻弄された彼の苦しみを表すように、どことなく神経質な雰囲気を漂わせている。この像は、顕時の罪が解け、政界に復帰した彼の晩年の姿を描いたと考えられる。
作者:
時代/作成:中世
法量: