なまむぎじけんず
生麦事件図
作成:文久2年(1862)以降
ワーグマンが描いた生麦事件の絵画を、友人の写真家、ベアトが撮影し、紙焼きした資料。生麦事件は、文久2年8月21日(1862年9月14日)午後、東海道沿いの武蔵国橘樹郡生麦村(横浜市鶴見区)で起こった、外国人殺傷事件。横浜からやってきた4人の英国人商人(リチャードソン、マーシャル、クラーク、ボロデール夫人)が、京都に向かう薩摩藩島津久光の行列と遭遇し、馬で行列を乱したとして斬りつけられ、リチャードソンが死亡、マーシャルとクラークが重傷を負った。作品は、手前に薩摩藩士たち、奥にイギリス人たちを描く構図となっており、馬上の右端の男性がリチャードソンと思われる。斬りかかる藩士の背には、島津氏の家紋もみえる。
本資料の原画の存在は確認されておらず、現在のところ、写真というかたちでしか見ることができない作品である。
作者:チャールズ・ワーグマン画、フェリーチェ・ベアト撮影
時代/作成:なし
法量:縦18.6cm× 横26.4㎝