企画展(アーカイブ)
横浜市都筑区・茅ヶ崎城跡からは、うずまき紋を持つウズマキかわらけが出土しています。
かわらけとは、使い捨ての素焼きの皿のことで、9~10世紀に京都で穢(けが)れ観念が定着する中、儀式や饗応など非日常の場でさかんに使用されるようになります。そして室町・戦国時代、室町幕府の武家儀礼を踏襲する関東地方の諸勢力や諸大名が、独自のかわらけを創出していったと考えられています。
ウズマキかわらけは、茅ヶ崎城の他、葛西城(東京都葛飾区)・深大寺城(東京都調布市)・丸山城(神奈川県伊勢原市)・川越城(埼玉県川越市)・岩槻城(埼玉県さいたま市)などの南関東各地より出土しており、その分布から、当時武蔵国から相模国にかけて勢力を持っていた扇谷上杉氏とのかかわりが指摘されています。
本展覧会では、ウズマキかわらけをはじめとする茅ヶ崎城跡の遺物と、各地のウズマキかわらけ、また鎌倉や伊豆・小田原に特有のかわらけなど、南関東のさまざまなかわらけとその形態を紹介し、関東の室町・戦国時代をかわらけという視点から考えていきます。
展示構成
■展 示 構 成■
プロローグ かわらけってなに?
1.中世の南関東に見えるかわらけ
・武士の居館跡での出土遺物とかわらけ
・都市部に見るかわらけ
・あこがれの白かわらけ
・神事のための白かわらけ
2.室町期・南関東の城とかわらけ
・関東の争乱 享徳の乱の開始
・古河公方・山内上杉氏・扇谷上杉氏の拠点
・謎のうずまきかわらけ
・茅ヶ崎城の歴史と遺物
3.小田原北条氏の関東支配とかわらけ
・小田原城の出土遺物とかわらけ
・支城の小田原かわらけ
・横浜市域を押さえた支城:小机城
4.戦国の終焉 近世かわらけの萌芽
・小田原城落城
・江戸時代のかわらけへ
主な展示品
茅ヶ崎城出土遺物
◎金沢貞顕書状(称名寺蔵・神奈川県立金沢文庫保管)
○大芝遺跡出土遺物(箱根町教育委員会蔵)
河越館および川越城出土遺物(川越市教育委員会蔵)
東五十子遺跡出土遺物(本庄市教育委員会蔵)
小田原城出土遺物(小田原市教育委員会蔵)
丸山遺跡出土遺物(伊勢原市教育委員会蔵)
ほか多数
◎…国指定重要文化財
○…市町村指定文化財
開催概要
観覧料 (カッコ内は団体料金)
企 画 展 企画・常設セット
一 般 400(320)円 600(480)円
大学・高校生 250(200)円 350(280)円
中学・小学生 100( 80)円 150(120)円
関連事業
講演会【要申込】
・関東かわらけ研究の現在:都筑区茅ヶ崎城・伊勢原市丸山城を皮切りに(仮題)
2月19日【終了】
・伊豆地方の白かわらけ(仮題)/小田原北条氏の権力とかわらけ(仮題)
3月13日(日)【終了】
バスツアー【要申込】
・伊勢原市・大山阿夫利神社と太田道灌の古蹟をめぐる 2月10日【終了】
・室町期の陣所「上戸の陣」跡・河越館と川越城をめぐる 3月17日(木)【地震の影響により、中止になりました】
ミニツアー【要申込】
・茅ヶ崎城跡見学と企画展示解説のミニツアー 2月5日【終了】/2月26日【終了】
フロアレクチャー
1月29日【終了】、1月30日【終了】、3月5日(土)【終了】、3月12日(土)
茅ヶ崎城発掘写真展
企画展期間中 博物館1階エントランスにて
展示図録
あり