企画展(アーカイブ)
矢崎山遺跡は、現在の横浜市都筑区荏田南町にあった集落=ムラの遺跡で、1976-1979年にかけて行われた発掘調査により100軒もの住居跡が見つかりました。古墳時代中期にあたる5世紀の後半ごろに開かれ、6世紀中頃にかけて展開したこのムラの人々は、当初からほとんどすべての住居にカマドを備え、鉄製の農具や武具を製作する鍛冶技術を有し、高級陶器である初期須恵器をたずさえ、子持勾玉・石製模造品など当時盛行していたマツリの道具を用いていました。
矢崎山ムラの人々がもっていたカマドや須恵器は、朝鮮半島からの渡来人を介して西日本に伝わったばかりの新しい生活文化・技術で同時期の関東地方ではまだ珍しいものでした。カマドの導入は“古墳時代の台所革命”と呼ばれ、人々の暮らしを大きく変えました。
矢崎山ムラに見られるような新しい生活文化・技術は、外交を主導する倭国王や有力首長たちとの交流を通じて各地域にもたらされたものとみられます。展覧会では、このような注目すべき要素をそなえた矢崎山ムラの暮らしの実相に迫るとともに、5世紀後半の関東地方において開発を主導し古墳を築いた首長たちの動向について探ります。
展示構成
■展示構成■
都筑の大集落 矢崎山遺跡
(1)姿をあらわした矢崎山遺跡
(2)古墳時代中期の集落遺跡
新しい生活文化
(1)古墳時代の台所革命~カマド~
(2)韓渡りのうつわ~須恵器~
(3)ムラの中の鍛冶工房~鉄製品~
(4)マツリの形代(かたしろ)~石製模造品~
矢崎山ムラの開かれた時代
(1)東と西の結節点
(2)榛名山麓の開発と首長たち
(3)鶴見川水系の首長たち
谷戸を切り拓く
(1)柚ノ木谷戸の開発と矢崎山ムラ
(2)横穴墓に葬られた人々
主な展示品
開催概要
■観覧料
企 画 展 企画展・常設展セット
一 般 300円 500円
大学生・高校生 200円 300円
中学生・小学生 100円 150円
関連事業
講演会
「古墳時代の祭祀と石製模造品」(仮題)
6月20日(日)14:00~
申込制:締切6月10日
終了しました。
「矢崎山遺跡の発掘調査」
7月3日(土)14:00~
申込制:締切6月23日
終了しました。
フロアレクチャー(展示解説)
6月12日(土)11:00~、14:00~
7月 4日(日)11:00~、14:00~
バスツアー
「かみつけの里博物館と日本のポンペイ黒井峯遺跡を訪ねて」
7月8日(木)
申込制:締切6月22日 ※締め切りました。
展示図録
あり