企画展(アーカイブ)
古代のムラにおける神(カミ)の祭り、仏(ホトケ)の信仰
奈良時代から平安時代にかけての古代のムラでは、水辺の祭り/建物などを建てるに際しその地を鎮める祭り/建物の中にカマドを作る際やそれを廃棄する際の祭り/井戸をめぐる祭り/顔を描いた土器を用いた祭り/占骨を用いた祭り/土器に特殊な字形の文字や何らかの呪力を期待するまじないの記号を記す行為-こうした様々な祭りが行われていました。
また東日本の集落遺跡では、仏教施設が置かれたムラがあることが明らかになってきています。それらの施設は茅葺の建物で、中には仏像や瓦塔が置かれ、灯明が灯されたとみられます。これは平安時代初頭にできた仏教説話集である『日本霊異記』に記された、ムラの人々が建てた「堂」「寺」に当たるとみられます。
本展覧会では、南武蔵・相模の地域社会を中心に、古代のムラの祭りの様相と、ムラの中の仏教施設とそれをとりまく様相をご紹介します。古代のムラにおける神と仏は、決して対立する存在ではなく、両者は相まって存在し、習合していったようです。展示では、神の祭りと仏の信仰をとりあげつつ、両者の関係をも探っていきます。
展示構成
■展示構成■
Ⅰ 古代のムラと神・祭り
(1)さまざまな祭り (2)祭りの場所と「社」
Ⅱ 古代のムラと仏
(1)ムラの中の「堂」「寺」 (2)塔をつくる
(3)人々の祈り (4)さまざまな「堂」「寺」
Ⅲ 神と仏の融合
エピローグ
主な展示品
■主な展示資料■
横浜市港北ニュータウン遺跡群古梅谷遺跡出土墨書土器
綾瀬市宮久保遺跡出土墨書土器
秦野市尾尻西立野遺跡出土陶馬
平塚市真田・北金目遺跡出土銭貨
藤沢市南鍛冶山遺跡出土墨書土器(人面墨書土器を含む)など
袖ヶ浦市遠寺原遺跡出土墨書土器、瓦塔片、鉄鉢形土器など
横浜市藪根不動原遺跡出土墨書土器、瓦塔片、鉄鉢形土器など
川崎市宮添遺跡出土墨書土器、瓦塔片、鉄鉢形土器など
厚木市愛名宮地遺跡出土墨書土器、瓦塔片、鉄鉢形土器など
小田原市千代南遺跡出土木簡・木製品
茅ヶ崎市下寺尾遺跡群出土木簡・墨書土器など
『日本霊異記』『続日本紀』『万葉集』『常陸国風土記』などの典籍史料
開催概要
■展示概要■
●開催期間●
2008年5月31日(土)~7月6日(日)
●開館時間●
午前9:00~午後5:00(券売は午後4:30まで)
●休館日●
月曜日(6月2日は開館)
●主催●
横浜市歴史博物館
●共催●
横浜市教育委員会 ●観覧料●
企画展
常設展・企画展セット
一般
300(240)
500(400)
大学生・高校生
200(160)
300(240)
中学生・小学生
100(80)
150(120)
☆( )は20名以上の団体料金
関連事業
■講演会■
日時
6月15日(日) 14:00~15:30
6月22日(日) 14:00~15:30
講演者
笹生 衛氏(千葉県教育委員会主任文化財主事)
関 和彦氏(國學院大學講師)
タイトル
「古代のムラの仏教施設」
「古代相模・武蔵のムラと神々」
場所
講堂
定員
170人
参加費
500円
■フロアー・レクチャー■
担当学芸員による展示解説です。
日時
6月1日(日)・6月21日(土)・7月5日(土) 11:00~、14:00~
場所
研修室で概要を説明した後、企画展示室で展示解説を行います
定員
各回30人
参加費
参加費は無料ですが、企画展のチケットが必要です
申込方法
当日先着順(受付は30分前から)
■遺跡見学ツアー■
日程
6月12日(木)
定員
35人
参加費
4‚000円
展示図録
あり