横浜市歴史博物館

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企画展(アーカイブ)

企画展
「諸岡五十戸」木簡と横浜 -大宝律令以前の支配システムを探る-

奈良県明日香村(あすかむら)にある石神遺跡(いしがみいせき)からは、「諸岡(もろおか)五十戸(ごじゅっこ)」と記された7世紀後半の木簡(もっかん)が発見されています。ここに記された「諸岡五十戸」は、古代の律令国家(りつりょうこっか)が成立した8世紀以降の武蔵国(むさしのくに)久良郡(くらきぐん)諸岡(もろおか)里(り・郷(ごう))の前身であり、横浜市港北区師岡町(もろおかちょう)から鶴見区駒岡町(こまおかちょう)周辺の地域を示しています。横浜市域にかかわる地名としては、確実な最古の資料となります。
展覧会では、この木簡に着目し、いわゆる「大化改新(たいかのかいしん)」以降の7世紀後半の時期、ヤマト王権が古代国家へと展開する過程において、地域の行政制度がどのように作られ、それによって横浜市域をふくむ東国社会がどのように編成され、変化していったのかを考古資料、出土文字資料、文献資料を交えながら探っていきます。

展示構成

■展示構成■
古代国家の地域支配―国郡制と戸籍―
1.国・郡・里制の変遷
2.戸籍と百姓

評と五十戸
1.評の成立
2.五十戸の編成と展開

役所の成立、人の移動
1.役所の成立
2.行政の実態

ムラの様相
1.南武蔵・相模地域おけるムラのすがた
2.諸岡郷域のすがた

主な展示品

■主な展示資料■
・戸籍・計帳(正倉院文書・複製)
・藤原宮跡出土木簡、飛鳥京跡出土木簡、飛鳥池遺跡出土木簡、石神遺跡出土木簡(複製)、伊場遺跡出土木簡(複製)ほか五十戸関係木簡
・那須国造碑(複製)
・熊野遺跡(埼玉県深谷市)出土遺物・西方A遺跡(神奈川県茅ヶ崎市)出土遺物・西下谷田遺跡(栃木県宇都宮市)出土遺物・郡山遺跡(宮城県仙台市)出土遺物・名生館官衙遺跡(宮城県古川市)出土遺物・影向寺跡(神奈川県川崎市)出土遺物
・『皇太神宮儀式帳』『日本書紀』『万葉集』『令義解』『常陸国風土記』『先代旧事本紀』 などの典籍史料

開催概要

■展示概要■
●開催期間●
2006年1月28日(土)~3月19日(日)
●休館日●
月曜日
●主催●
横浜市歴史博物館
●共催●
横浜市教育委員会
●観覧料●
企画展 常設展・企画展セット
一般 400円(320) 600円(480)
高・大 200円(160) 300円(240)
小・中 100円(80) 150円(120)( )は20名以上の団体料金

関連事業

■講演会■
・ 3月5日(日)
「五十戸木簡の世界」:市大樹(奈良文化財研究所・研究員)
「熊野遺跡と評の役所」:鳥羽政之(岡部町教育委員会)
午後1時30分 定員170人・無料

■研究講座■
・2月19日(日) 展示担当学芸員よる講座 「『諸岡五十戸木簡』と地域社会」

■フロアレクチャー■
・2月5日(日)・2月12日(日)・3月12日(日)
いずれも午前11時と午後2時から、定員30人。当日先着順(受付は30分前から)。
展示担当学芸員が研修室で展示概要を説明の後、企画展示室で展示解説を行います。参加費は無料ですが、企画展チケットが必要です。

■官衙遺跡見学ツアー■
茨城県にある復元整備された郡家遺跡、国府に付属した工房遺跡をバスでめぐるツアーです。
・ 3月9日(木) 午前8時30分博物館出発、午後6時帰着予定
参加費4000円 定員40人
・ 見学場所
・平沢官衙遺跡(つくば市・常陸国筑波郡家)
・常陸国風土記の丘(石岡市・鹿の子C遺跡<国衙工房>)
・筑波神社など「常陸国風土記」関係箇所

■関連講座■
・ 2月4日(土) 午後1時
古代の諸岡郷をさぐる-「諸岡五十戸」木簡の語るもの-
会場 
菊名地区センター(港北区菊名6-18-10 菊名駅徒歩7分 TEL.421-1214)

展示図録

あり

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