横浜市歴史博物館

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企画展(アーカイブ)

企画展
中世の棟札-神と仏と人々信仰-

棟札は建物の棟上の際に、建造の年月日や施主・大工などを記して後日に伝えるために作成され、天井の棟木などに打ち付けられた板札のことです。これまで棟札は、建物の歴史を解明する資料として重要視されてきました。しかし、今日では、古文書のみでは語りきれなかった地域の歴史や、建立に関わった人々の信仰の様相までも読み取ることができる資料として、新たな視点からの注目を集めてきています。しかし、その反面、棟札と言ってもそれが何であるかを知る人が少ないこともまた事実です。
本企画展では、全国15県から107枚の棟札を集めて展示します。はじめに、棟札とは何であるのか、それがもっている性格の変化、形や記載の方法の変遷などを含め、中世棟札の概説を行います。次に、棟札に記された文言から、地域の歴史や人々の信仰のあり方などを読み解いてみます。そして、横浜市域・県内の棟札と全国のものとを比較し、その特徴を探ります。
これを通して、普段目にすることの稀な棟札が、中世の人々の信仰や、地域の歴史の一端を語る貴重な資料であることを、知っていただく機会となれば幸いです。

展示構成

1 棟札の始まり
・棟木銘から棟札へ ・六浦常福寺棟札写と審海上人
2 棟札のかたち
・平頭と尖頭の棟札 ・めずらしい形の棟札 ・切り欠きのある棟札 ・銅で造られた棟札
3 棟札に記されるもの
・記録から祈願へ ・棟札の書き方 ・梵字・偈頌・記号・呪符・慣用句などの使用 ・裏面の使用
4 棟札の製作と道具
・上棟式と棟札 ・製作の道具
5 棟札の移り変わり
・長野県・仁科神明宮棟札と式年遷宮 ・山形県・成島八幡神社の造営と棟札
6 こめられた人々の願い
・金沢八幡神社の棟札と金沢郷の人々 ・棟札が語る伊豆横川地域の歴史と信仰
7 市域と県内の棟札を探る
・北条氏の時代の棟札

主な展示品

○ 岩 手 中尊寺伝経蔵造立棟札(1122年)
千 葉 観音教寺宝塔造立棟札(1442年)
◎ 神奈川 木製多宝塔(1450年)
◎ 長 野 仁科神明宮造替棟札(1376年~1596年)
○ 愛 知 信光明寺観音堂建立棟札(1478年)
● 奈 良 東大寺法華堂修造棟札(1199年)
● 広 島 浄土寺観音堂造立棟札(1326年)

◎…重要文化財 ○…重要文化財附 ●…国宝附

開催概要

●主催●
横浜市歴史博物館/文化庁

●共催●
横浜市教育委員会

●観覧料●
区 分 企 画 展 常設展・企画展セット
一 般 300円(240) 600円(480)
高・大 150円(120) 300円(240)
小・中 50円(40) 100円(80)

( )は20名以上の団体料金

関連事業

■フロアレクチャー■
2月10日(日)・24日(日)
(集合場所:研修室)
・いずれも午前11時・午後2時からの2回、担当学芸員が展示解説を行います。
・各回とも1時間程度。定員は30名、当日先着順(受付は30分前から)。
・参加料は無料ですが、企画展チケットが必要です。

展示図録

あり

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