横浜市歴史博物館

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企画展(アーカイブ)

企画展
中世の梵鐘 物部姓鋳物師の系譜と鋳造

横浜市内には、鎌倉時代に鋳造された梵鐘が三口存在します。永仁6年(1298)磯子区東漸寺、正安3年(1301)金沢区称名寺、正中2年(1325)瀬谷区妙光寺の梵鐘です。これらの梵鐘はその銘文から、物部国光・依光・守光という物部姓の梵鐘鋳物師によって鋳造されたことがわかります。

物部姓鋳物師は、河内国丹南郡(大阪府南河内郡美原町付近)に本拠地をおいた鋳物師集団と考えられ、建長4年(1252)にはじまる鎌倉大仏の鋳造のため、丹治・広階・大中臣姓の鋳物師らとともに北条氏に招かれ、鎌倉に出職してきたものといわれています。大仏鋳造ののちは相模国毛利荘(厚木市付近)に移住・定着し、関東を代表する梵鐘鋳物師集団として、鎌倉時代から南北朝時代初期の百十余年にわたり、特に北条氏や有力鎌倉御家人に関係する寺院梵鐘を鋳造していきます。代表作には鎌倉建長寺や円覚寺の梵鐘があります。その鋳造技術は特に高く、関西地方を中心に多数の梵鐘鋳造をてがけた丹治姓鋳物師を「西の丹治」と呼ぶのに対し、「東の物部」とまで称賛されました。

本展覧会では、鎌倉から南北朝初期に活躍した物部姓鋳物師代々の梵鐘を展示し、その作風や鋳造技術を考察します。また丹治姓鋳物師、さらに物部姓鋳物師の技術を縦承するかのようにあらわれる清原姓鋳物師の作品も紹介し比較検討を試みます。
梵鐘が造られはや700年。普段何気なく見上げる梵鐘に秘められた中世の鋳物師達の技と美をご堪能ください。

展示構成

1 鎌倉大仏鋳造と河内鋳物師
2 鎌倉時代の物部姓鋳物師の作例-重光・季重・国光・依光・守光・道光-
3 南北朝時代の物部姓鋳物師の作例-光連-
4 物部姓鋳物師と推定される作例
5 源・清原姓鋳物師の作例
6 発掘された梵鐘鋳造遺跡

主な展示品

(◎は重要文化財、○は県重要文化財)
◎奈 良 東大寺真言院梵鐘(1264年 丹治久友作)
◎埼 玉 慈光寺梵鐘(1245年 重光作)  
◎神奈川 長谷寺梵鐘(1264年 季重作)
◎神奈川 東漸寺梵鐘(1298年 国光作) 
◎神奈川 称名寺梵鐘(1301年 国光・依光作) 
◯神奈川 妙光寺梵鐘(1325年 守光作)
◎神奈川 宝城坊梵鐘(1340年 光連作)
◯神奈川 光明寺梵鐘(1352年 清原国吉作)
神奈川 極楽寺梵鐘拓本
奈 良 蔵王堂梵鐘拓本
神奈川 浄智寺梵鐘拓本
埼 玉 金井遺跡出土梵鐘鋳型・復元梵鐘

開催概要

●主催●
横浜市歴史博物館
文化庁

●共催●
横浜市教育委員会

●観覧料●
区分 企画展 常設展・企画展セット
一般 300円 (240) 600円(480)
大・高 150円 (120) 300円(240)
中・小 50円 (40) 100円 (80)
()は20名以上の団体料金

関連事業

■フロアレクチャー■

(集合場所:講堂)
2月13日(日)・2月20日(日)
いずれも午前11時・午後2時からの2回、担当学芸員が展示解説を行います。
各回とも1時間程度。定員は30名、当日先着順(受付は30分前から)。
参加料は無料ですが、企画展チケットが必要です。

■名鐘の響きとパネル展示■
(場所:エントランスホール)
1月29日(土)~2月27日(日)

展示図録

あり

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