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土器型式のはなし
 以前に、土器の年表の話をしたことがありましたが、覚えていますか?土器の年表を作る時には、層位学(そういがく)的な方法のほかに、土器のもつ特徴(形や文様など)を較べていく型式学(けいしきがく)的な方法があって、そのうちの層位学的な考え方のことについては少し説明しましたね。では今回は、その時にできなかった土器の型式についてちょっとふれてみましょう。
 土器には、それぞれ特徴(個性)があります。器形(きけい)といって土器の形や、文様がつけられているものやいないもの、土器を作る時の粘土の材料などさまざまです。
 このなかで特徴的なものはやっぱり文様です。粘土のひもをはりつけたり、溝を刻んだり、縄文をつけたりとその種類は数えきれないほどとなっています。でも、よーく観察すると似ているものがあります。ある一群(グループ)の土器は、土器の口縁部(上の方の部分)に粘土のひもを横にはりつけ、文様をつける部分を区切っていたり、また、あるグループの土器は、土器の表側と裏側にたくさんの浅い溝(条線と呼ばれるもの)がつけられています。このように同じ特徴を持つ土器を1つのグループと考え、たくさんの文様の違いによるグループ分けをします。また、これとは別に土器の形の特徴についても同じようにグループ分けをしていきます。今度は、文様のグループと形のグループとを比較検討して、それぞれの共通点を見つけて別のグループを作っていきます。このような作業をくり返し行なうことで、文様と形が同じ特徴のグループができあがります。これが型式と呼ぶグループです。実際には、文様形の他にもいろいろな共通項を探し出していくため、非常に難しい作業となります。また、できあがった型式も地域によっては微妙に違うので、さらにやっかいです。
 こうしてできあがったグループの土器がどの土層に入っているのか確認することで、土器の並び順が決まります。もうお分かりですね、この並び順が土器の年表となるのです(土器 の年表?のはなしも見てみよう!)。
土器型式
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