ためになる?豆知識

生きている?死んでいる?

発掘調査をしている遺跡の側を通った時に耳をそばだてでみると面白い会話が聞こえることがあります。
「ここは生きているけど、こっちは死んでる」
「そうですね。じゃあ、生きてるところは縄文時代のもので間違いないでしょうね。」
縄文時代からずっと生きてたものが出たのでしょうか?それっていったい何?
実は、これは私たちが発掘調査の時によく使う例えなんです。
昔のままの状態を保っていることを「生きている」、何らかの要因で昔の状態が壊されてしまったものを「死んでいる」と言うんです。これは、遺構などを掘った時に、当時の状態がそのまま残っていれば、みずみずしくきれいであるのに対し、壊されているものはどことなく亡きがらのようにみえるからです(ホントのことをいえば遺構はみんな亡きがらみたいなものなんですけどね)。
また、みずみずしくきれいである状態が活き活きしていると感じられることから、この活き活きという言葉が転じて生きているになったとも考えられます。私たちが普段何気なく使っている日本語には、擬人法(ぎじんほう)といって人でないものを人に見立てて表現する方法があります。発掘調査を行なう際にも、さまざまな擬人法を用いた用語があります。お住まいやお勤め先の近くで発掘調査があった場合、注意して聞いてみるともっとおかしな言葉が聞こえてくるかも知れません。

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