博物館などで土器の大きさを見ることはできるけど、実際に持つことはできないので、どれくらいの重さがあるのか分かりません。教えてくれませんか? (西区 早苗さん 11才 からの質問)
A そうですね。実際に土器に触れることができるのは、私たちのような遺物の整理をする人に限られてしまいます。また、運良く触ることができても、たいていは割れている破片となってしまいます。
実をいうと、毎日のように土器に触っている私たちも、いままで1つの土器がどれくらいの重さなのかは考えたこともありませんでした。そこで、1つの土器の重さを計ってみることにしました。
土器は、大きければ大きいものほど、そっくりそのままの形で出土することはありません。なぜなら、土器を覆っている土の重量(圧力)に耐えられずに割れてしまうからです。今回計測を行なった土器も残念ながら割れてしまっていますが、破片を集めて組み立てた(復原といいます)ところ、ほぼ完全な形となりました。
まずは、土器の大きさです。この土器は、口の部分の直径が 26.0cm、底が7.2cm、高さが36.0cm、土器の厚みは平均して0.7cmの平均サイズの弥生時代の甕形土器(かめがたどき=煮炊きに使う道具)です。
さあ、重さを計ってみましょう。なんと、2.54kgの重さでした。2.5kgといえば大きめのタラバガニくらいの重さです(ちなみにポケモンのアチャモの体重が2.5Kgだそうです)。調理に使うにはやや重い道具です。だって中に物を入れたら、もっと重くなりますからね。
博物館に展示している土器をさわることはほとんどできませんが、埋蔵文化財センターに来てもらえば、職員の許可があれば遺物に触れることも可能です。ぜひ、一度実際の土器の重さを実感してみてはどうですか。
普段は見られないので真上からも見てみました