Q&A

Q : 横浜市内で最古の遺跡はどこですか

保土ケ谷区明神台遺跡や旭区矢指谷(やさしやと)遺跡などの旧石器時代遺跡になります。ここから出土したナイフ形石器は、市内における最古の人間活動の痕跡と考えられています。

現在、日本には約4万年前から1万5千年前の後期旧石器時代の遺跡が約1万5千箇所近く存在しています。4万年以前の石器の出土例もいくつか報告はありますが、まだ確実なものとは考えられていません。このため、後期旧石器時代遺跡が現在のところ最古の遺跡とされています。


横浜市内では、59か所の旧石器時代遺跡が確認されています。開発などによる発掘調査から、鶴見川・早渕川流域の河川、またその支流に面した台地や谷に立地するものが多く見られます。このため、市内で最も多くの旧石器時代遺跡が確認されているのは、鶴見川・早渕川の流域である都筑区内になります。中でも、権田原(ごんたっぱら)遺跡からは旧石器時代の遺物が多く出土し、石器集中と礫群、石器類などが見つかっています。礫群は焼けているものも多く見られ、火を使って調理を行った結果と考えられており、炭化物の集中も確認できています。


旧石器時代の居住形態は、遺構や出土品が少ないためはっきりしていませんが、食料となる動物の捕獲や調理、皮なめしをはじめとした様々な作業を石器で行い、その開発や製作が行われていたことから、狩猟採集生活を送っていたと考えられています。


狩猟対象となる動物はシカ・ナウマンゾウ・トウヨウゾウなど多くの種類がありますが、横浜市内ではシカの化石が出土しており、こうした中型獣を捕獲するための落とし穴も検出されています。また、ナウマンゾウ・トウヨウゾウなど大型獣の化石も出土しており、旧石器時代の横浜市内には捕獲対象となる様々な動物が存在していたことがわかります。


なお、旧石器時代の遺跡や人々の生活(食料や住居など)に関しては最新の埋文よこはま46で特集をしています。ぜひあわせてご覧ください。


 

権田原遺跡 1〜3号ユニット

権田原遺跡 C区礫群(礫の中で黒っぽくなっているのは火を受けたもの)

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