Q どうして住居跡があることがわかるの?
とても不思議に思うのですが、どうして住居跡があることが分かるのですか?
A この質問は、どうして遺跡があることが分かるのですか?という質問と同じくらいよく尋ねられます。どうして遺跡があるのが分かるのかは別の機会に回して、なぜ住居址(遺構)があるのが分かるのかについてお答えします。
発掘調査を行なう場合、まず、遺跡全体を覆っている土を竪穴住居址などの遺構が確認できる面まで掘り下げます。遺構が確認 できる面は場所によって異なりますが、おおむね赤土(見た目には黄色ですけど=関東ローム層)まで掘り下げることで確認することができます。
 昔に作られた竪穴住居址などの遺構はこの赤土まで掘りこんで造られているものが多いのです。きれいな土を掘ってその土できれいに埋めたとしても、決して元の土とは状態が同じにならずに異なってしまいます。プリンをにスプーンを数回入れてから元に戻そうとしても、上にかかっているカラメルソースが混ざってしまって元通りにならないのを想像すると分かりやすいかな。ましてや長い時間をかけて堆積した土は、赤土に対して黒土と呼ばれる腐葉土に近いものですから、見た目にもその違いは明らかです。
 上から見ると、黄色い地面に黒っぽいシミのようなものがいくつか発見されます。このシミ状の周囲を薄く丁寧に削っていくと形や大きさが分かってきます。また、黒土をよく観察すると、自然に堆積した層に含まれているものが混入しています。これらを観察することである程度の時期も分かります。もちろん土器なども入っていますから、時期を決める参考にします。あとは、その大きさや形から竪穴住居跡や落し穴と推測するわけです。ざっと説明しましたけれど、分かりましたでしょうか?
一見何もないようなところでも…
きれいに削っていくと…、ぼんやりと… ほら、黒っぽい部分が住居跡です
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