Q 火はどうやって着けたのですか?
博物館に行ったとき、パパに縄文時代の人たちも料理をする時には火を使っていたと聞きました。ライターなどがなかった時代にどうやって火を着けてたのですか、教えてください。(ハッピー&未来さんからの質問)
A 火の使用は、ジャワ原人や北京原人などという名称で知られている原人(げんじん)と呼ばれている人たちが、約150万年前から使っていたことがアフリカなどで確認されています。それから長い年月を経て、今から約40,000年前になると新人(しんじん)のクロマニヨン人という人たちが現われ、道具を使ったりする技術が一段と進歩します。この頃の火起こしの方法が、縄文時代の火起こしと同じ方法であったものではないかと推測されています。
その方法は、錐(きり)揉み法といって、20cmほどの棒と浅い窪みと切れ目ををつけた板を使って火を起こす方法です。まず、棒を両方の手のひらに挟んで、棒の先端を窪みに置きます。棒を真っ直ぐに立てたそのままの状態で両手を交互に前後に動かすと棒が回転します。何度も何度も回転させていくと、窪みに接している部分が摩擦によって黒く焦げはじめ、どんどん黒い燃えかすのようなものがでてきます。この黒い燃えかすがある程度たまってきたら、板をどけてそっと息を吹きかけます。そうすると煙りがでてき、しばらく息を吹きかけていると黒い燃えかすの一部が赤く光ってきます。そこに燃えやすいものをのせてさらに息を吹きかけると火が燃え上がります。その様子が錐(大工道具のひとつ)を使う様子に見えることからこのように言われています。
縄文時代の人たちはおそらくこの方法で簡単に火を起こしていたものと思われます。現代人の私たちがこの方法でやろうと思ってももなかなかうまくできません。今では火の起こし方や道具が発達して、ライターやマッチなどで簡単に火を扱うことができるようになりました。しかし、そうなるまでには様々な人たちの知恵や努力があったに違いありません。道具を使う時には、便利さに感心するだけではなく、こうした道具の発達について調べてみるのも良いでしょう。
なお、横浜市歴史博物館のミュージアムショップでは、ほかの方法の火起こしセット(3,150円)を販売しております。興味のある方はお問い合わせください。
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